深海魚 1


深く昏い海の底 暗闇に鈍く身体を横たえる魚には 空から一条の光さえ届かない しかし魚は 光を望むことはない 過去に光の記憶など ありはしないのだから 深海魚  「死んどんか、小僧」 もし本当に死んでいたなら、そんなことを …

深海魚 2


武家に生まれ、誇り高く生きろと言われて育った。 時には我を押し殺しても理想を貫き、それに命すら捧げることを美とする世界で生きてきた。 それが今はわずかの水と食物と命を引き替えにし、名も知らぬ男の手で一方的に身体をまさぐら …

深海魚 最終話


それから毎日、昼間から風呂に入れられては身体中を擦られ、何やら香りのする水やら油やらを塗りたくられた。 剣術で鍛えたはずの肉は徐々に丸みを帯び、生活に疲れた肌は白く滑らかになっていった。 そして夜は毎晩、仕込み役の男に身 …